車検を出すなら少しでも良い整備工場に出したいと思いますよね。
車検を出した後に、あそこに出して失敗した。
もっと良いお店があったのではないか。
などと失敗したくないものです。
そこで、この記事では良い整備工場と悪い整備工場の見分け方について詳しく解説していきます。
筆者はディーラーで整備の仕事を19年間してきて、ディーラーを退職してからは何件かの民間整備工場で働いてきました。
その経験から、良い整備工場と悪い整備工場の見分け方もよくわかっていますので、この記事を参考にして車検を出してくれればと思います。
車検業者の種類
車検を行なう業者には、ディーラー、民間整備工場、フランチャイズ店、車検代行業者などいろいろあります。
この中で車検にかかる費用が安い順で言うと、車検代行業者→フランチャイズ店→民間整備工場→ディーラー、となるでしょうか。
ただし、車検は安ければいいというものではありません。
車検をしても安心・安全に車を乗れなければ車検の意味はなくなってしまいます。
安心・安全という意味では、ディーラーが一番と思われますが、近年、ディーラーの不正車検が摘発されて、その信用も落ちてしまいました。
トヨタディーラーの不正車検は話題になりましたね。
では、自動車ユーザーは何を基準に良い整備工場、悪い整備工場を判断したらいいのでしょうか。
どうやって見分けたらいいのでしょうか。
良い整備工場と悪い整備工場の違いは何なのか。
を元ディーラー整備士が解説します。
良い整備工場か悪い整備工場かを見分けるポイント
良い整備工場か悪い整備工場かを見分けるのは、実際には容易ではありません。
なぜなら、実際に車検を出してみないとわからないからです。
しかし、それではなんの解決にもなりませんね。
ですから、ある程度の判断はまずはその整備工場の見えるところから判断するしかありません。
まずは、外観から見ていきましょう。
・整備工場の周辺がきれいに清掃されている
整備工場(フロントや待合室なども含む)の周辺がきれいに清掃されていて、ゴミなどが散らばっていなければ、その整備工場は清潔感のある整備工場だと言えます。
きれいにされている整備工場であれば、お客様の車も丁寧にきれいに扱ってくれます。
・工場の中やフロントもきちんと整理整頓されている
フロントや工場の中に書類や部品が散らばっているような会社は、仕事の効率も悪いと判断されます。
整理整頓がきちんとされていれば、作業効率もいいので仕事が早いと言えるでしょう。
整備工場内やフロントなどがきれいにきちんと整理整頓されている会社は、やはりお客様の車の取り扱いも丁寧です。
・フロントやピットでの接客態度が良く、挨拶もきちんとしてくれる
車を持ち込んだ時に、フロントもピットもなんの挨拶もないのは最低です。
筆者はかつて、車をある修理でトヨタのディーラーに持ち込んだ時があるのですが、その時に感心したことがあります。
それは、フロントの人が傘を車を駐車したところまで持ってきてくれたことです。
車を駐車場に止めるのに誘導をしてくれて、その手には傘を2本持っていました。
ちょうど雨が降っていて、傘を持っていなかったので大変助かりました。
その時ばかりは、さすがにトヨタのディーラーだと感心しました。
さすがにそこまでのサービスを他の整備工場には求めませんが、そのちょっとした気遣いでユーザーは気分が良くなります。
でも、中には車を入り口に乗っていっても、なんの挨拶もない会社もあります。
教育のいき届いた会社は、フロントだけででなく、工場のメカニックもきちんと挨拶してくれます。
挨拶ひとつで印象は全然違くなるので、挨拶がきちんとできる整備工場は良い整備工場である、とも言えるでしょう。
車を持ち込んでもなんの挨拶もなければ、もう帰ってしまおうかな、とも思ってしまいます。
・メカニックの清潔感
メカニック(自動車整備士)はツナギ(作業服)で仕事をしていますが、お客様の車に乗る時もツナギで乗ります。
当然、シートカバーを被せてシートが汚れないようにしますが、やはり汚れたままのツナギで自分の車に乗られると、あまり気分のいいものではありません。
メカニックのツナギが汚れるのは仕事の内容から仕方がないのですが、それでもきれいなツナギに越したことはありません。
また、身だしなみについても同じことが言えて、髪が長すぎるもの、爪が伸びている、などは見た感じが悪いだけでなく、作業にも支障をきたします。
メカニックの清潔感は大事で、お客様の印象に大きく左右します。
以上が、外観から判断できる良い整備工場と悪い整備工場の違いですが、もちろんこれだけで見分けることはできません。
この他にもいろいろとチェックするポイントはあります。
・整備工場の運営年数が長い
自動車整備工場としての運営年数が長ければ、その工場は長年倒産しないで業務を続けられてきた証で、お客様の信頼をある程度は得ていたことになります。
評判が悪ければ長年運営することは難しいですからね。
・ベテランの整備士が多い
ベテランの整備士が多いということは、それだけ経験豊かな人が多いということで、整備に関する腕も安心できます。
もちろん、若い人でも知識の豊富な方はいますが、自動車整備は机上の理論だけでは成り立たない部分もあります。
自動車整備は長年の経験がものをいう場面も多々あるので、そういった意味では、ベテランの整備士が多い工場は頼りがいがあると言えるでしょう。
・従業員がすぐ辞めない
従業員が新しく入ってもすぐに辞めてしまって、従業員の入れ替わりが激しい整備工場は、会社に何らかの問題があると言えるでしょう。
あまり、従業員の入れ替わりが激しいと、整備に関する責任感というものも希薄になってしまいます。
どうせすぐ辞めるんだと思って仕事をしている人は、整備自体も適当になってしまいます。
そのような整備工場は、避けたほうがいいです。
・車好きが多い
車が好きな人は、やはり車の整備に関してもそれなりに知識が豊富です。
ただ、仕事なので仕方なくやっている人と、車が好きで整備をしている人とでは、仕事に対するモチベーションが違います。
もちろん、別に車が好きではなくてもきちんとした仕事をする人もいますが、中には、別に給料を貰えるなら仕事なんかなんでもいい、と思って入社する人もいます。
やはり、同じ整備代を払うのだったら、車好きの人にやってもらったほうがいいかなと思います。
・整備機器にお金をかけている工場は良い工場
自動車整備というのは、高額な機器をいろいろと揃えておかなければ効率の良い整備はできません。
ただし、それぞれの機器は決して安い物ではないので、個人経営の整備工場ではかなり大変です。
それでも、なければ仕事ができない場合もあるので、いくら大変でも揃える必要はあります。
その判断は、経営者の判断になるのですが、経営者がどのくらい仕事の効率を重視するかによります。
中には、そのようなお金はもったいない、と言って全然機器類に投資しない経営者もいます。
そのような人に限って、自分では高い車に乗って贅沢をしています。
そのような整備工場は車検に出してもぼったくられる可能性が高いので、敬遠したほうがいいでしょう。
・車検の見積もりで良い整備工場か悪い整備工場かがわかる
車検の見積もりをした時に、あまりオプションをしつこく言ってくる業者は避けましょう。
そのような業者は、売り上げばかりを重視して、あまりユーザーのことは考えていないことが多いです。
多少オプションの整備を話しても、ひとこと断れば素直に引き下がってくれる業者が望ましいです。
・車検前に実際に試してみる
車検を受ける前に実際に整備を依頼して、試してみるのもいいでしょう。
もちろん車検を何回もするわけにもいかないので、簡単なオイル交換などを依頼します。
その時に、フロントの接客態度がいいか、整理整頓がきちんとされているか、などを観察します。
また、工場内が待合室から見えれば、メカニックの身だしなみや作業の動き、工場内が整理整頓されているかどうか、などを観察します。
ただし、工場内が見えないからといって、待合室を出て覗きこむのはやめたほうがいいです。
メカニックも仕事中覗きこまれるのはあまり気持ちのいいものではありません。
さりげなく見る、というのがいいです。
また、オイル交換の時に不必要な高いオイルを勧めてくるような工場は、車検の時にもいろいろと高いものを勧めてくる可能性があるので、そのような工場は避けたほうがいいでしょう。
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