ハンドルを切るとカタカタと異音がする原因はドライブシャフト
ハンドルを切ったときに「カタカタ」「コトコト」と異音がするときの主な原因は、ドライブシャフトの故障の場合が多いです。
ドライブシャフトとは、エンジンの回転をタイヤに伝えるためのパーツで大変重要な役割をしているパーツです。
ドライブシャフトは前輪駆動(FF)の車は前輪、後輪駆動(FR)の車は後輪、全輪駆動(4WD)の車は全輪と後輪に付いています。
ドライブシャフトの異音は外側(タイヤ側)のベアリングの摩耗や損傷が原因であることが大半で、内側(デフ側)から異音が出ることは滅多にありません。
その理由としては、内側のベアリングは常に真っ直ぐな状態ですが、外側のベアリングはハンドルを切ることで角度がつきベアリングに負荷がかかりやすいからです。
症状としては、交差点などでハンドルを大きく切ってアクセルを踏んで加速した時にカタカタ、コトコトなどと異音がします。
初めのうちは注意して聞かないと解らないような小さな音ですが、ベアリングの摩耗がひどくなってくると、ハンドルを少し切ったくらいでも音が発生し、しまいには直進時でも異音が確認できるほどになってしまいます。
ドライブシャフトは、一度音が出てしまうとそっくり交換しなければなりません。
ドライブシャフトの故障は、ひどくなると走行不能になってしまうこともあるので、異音を感じたら早めに修理をすることが大切です。
ドライブシャフトの異音だけでは車検に落ちることはない
ドライブシャフトは、車検の時の点検箇所にも含まれていますが、異音がしていたくらいでは車検に落ちることは無いです。
車検のときのドライブシャフトの異音について、車検が通るか通らないかの判断ですが、ブーツが切れていないでグリス漏れがなく、ジョイント部にガタなどがなければ車検は通ります。
陸運支局での持ち込み検査では、検査官は車を運転するわけではないので異音が出ているかどうかというのはわかりません。
したがって、持ち込み検査では車検は通ります。
しかし、ディーラーなどの指定自動車整備工場では整備した人、又は自動車検査員などが試乗して車に不具合がないかどうかをチェックするので、その時に異音がしていれば気がつきます。
自動車検査員がこのままでは危険と判断した場合には、車検が通らないということもあります。
ドライブシャフトから異音が出る原因は
ドライブシャフトから異音が出る原因は、主にドライブシャフトのジョイント部分をカバーしているブーツの切れによることが多いです。
ブーツが切れてしまうと、ブーツの中のグリスが飛び出てしまいグリス不足となってしまうとともに、泥などがジョイント部のボールベアリングに侵入してしまい、ベアリングが摩耗してしまうことで異音が発生してしまいます。
主に、異音がでやすいのはアウター側(タイヤ側)のジョイントで、ハンドルを切ることで角度の変化が大きくなり、ブーツも切れやすくなってしまいます。
それに比べるとインナー側のジョイントは車が上下したときしか角度の変化が無いために、あまり切れることはありません。
また、ドライブシャフトブーツが切れていなくても、ジョイントのベアリングは走行距離が増すほどに少しづつ摩耗はするので、山間部などのコーナーが多い場所でハンドルを切る回数が多くて、且つ走行距離が多い車の場合はジョイントのベアリングに負担が多くかかっているので、異音が発生してしまう場合もあります。
ドライブシャフトの異音の確認方法
ドライブシャフトの異音は始めのうちは小さくて少しづつ徐々に大きくなってきます。
普通は、どこかにぶつけたりしない限り、いきなり大きな異音が発生することはないです。
最初のうちは、車が発進してハンドルをいっぱいに切ったときにカタカタと異音がします。
この時に、アクセルのON、OFで音の大きさに変化があればドライブシャフトが原因と推定できます。
ドライブシャフトの異音は、駆動力がかかった時に大きくなります。
ベアリングの摩耗がひどくなってくると、発進時だけでなくハンドルを軽く切って旋回しただけで異音が確認できるようになります。
一定の速度でも異音が確認できるようになってしまったら、もうドライブシャフトは限界でしょう。
ドライブシャフトの異音を放置していたら
ドライブシャフトの異音を放置していると、だんだんとベアリングの摩耗は激しくなっていくので破損してしまいます。
エンジンの回転は、エンジン→ミッション→デフ→ドライブシャフト→ハブ→ホイール・タイヤへと伝わっていくのですが、ドライブシャフトの内側(インナー側)のベアリングが破損してしまうと、デフからの駆動力がドライブシャフトに伝わらなくてドライブシャフトは回りません。
外側(アウター側)のベアリングが破損してしまうと、ドライブシャフトは回るがハブが回らないのでタイヤも回りません。
どちらのベアリングでも破損してしまった場合にはタイヤは回らなくなってしまうので、走行することができなくなってしまいます。
ドライブシャフトを交換した場合の修理代は
ドライブシャフトを新品に交換すると、片側での部品代が5万円くらいで工賃が1万5千円~2万円くらいです。(注)車種によって部品代も工賃もさまざまなので、ひとつの例としてです。
新品のドライブシャフトを使用した場合、左右交換すれば約14万円の出費となります。
ドライブシャフトを新品ではなく、リビルト品を使えば部品代は1万5千円~2万円くらいなので、新品よりもかなり安くなります。(注)リビルト品とは、外側の機能に影響しない部品は再使用して内部の傷んだ部品(ベアリング類)を新品に交換したものです。
ですから、外観は新品ではないですが機能的には新品となんら変わらないものです。
ですから、リビルト品を使用すれば左右交換してもおおよそ7~8万円くらいで交換が可能です。
ディーラーや自動車整備工場などで新品の部品の見積もりを出してきたら、リビルト品の見積もりも出してください、と言ってみてもいいでしょう。
ただし、リビルト品は設定がない車種もあるので、そのような場合には新品に交換するしかないです。
ドライブシャフトのブーツが切れていたら即交換
ドライブシャフトブーツは、車検時ではなくてもエンジンオイル交換などで車をリフトアップした時に切れているのを気づく場合もあります。
そのような時には修理を後回しにしないで、なるべく早く修理することをおすすめします。
その時点でドライブシャフトから異音がしていなければ、ブーツだけの交換で済むのでドライブシャフトを交換することにならないですみます。
ドライブシャフトブーツの交換費用は
ドライブシャフトブーツの交換には、純正の部品を使ってドライブシャフトを分解しておこなう方法と、社外品の割れブーツを使ってドライブシャフトを外さないでおこなう方法があります。
純正のブーツを使うときには、ドライブシャフトを脱着してからジョイント部分を切り離す必要があるので、脱着工賃に分解工賃がプラスされます。
そうした場合、車種やお店によってさまざまですが、片側の工賃がだいたい1万5千円~2万5千円くらいです。
純正のブーツの部品代は1個4~5千円くらいです。
純正のブーツを使用して交換した場合には、合計で片側2万円~3万円くらいになります。
それに比べて、社外品の割れブーツを使用した場合には、部品代は純正よりも少し高くて6千円くらいで、工賃はドライブシャフトを脱着する必要がないので5千円~6千円くらいです。
社外品の割れブーツを使用した場合には、合計で片側1万~1万1千円くらいですみます。
社外品の割れブーツを使用したほうが金額的には安くなりますが、割れブーツは特殊な接着剤でブーツの割れている部分を繋げるので、どうしても純正のブーツの一体型と比べると耐久性で劣ってしまいます。
まとめ
ドライブシャフトはブーツが切れていたら早急に修理することが大切です。
異音が出ていないうちに対処すれば、ドライブシャフトを交換することもなく、ブーツを交換するだけですむので、修理代も安くすみます。
ドライブシャフトブーツの交換は、作業する人の腕しだいで耐久性も違ってきます。
ですから、自動車の整備は腕のいい信頼できる整備工場を選ぶことが大切です。
車の修理に高額な費用がかかるような車は、下取りに出しても充分な査定額は出ません。
少しでも高く引き取ってもらいたいのだったら、カーネクストのような車買い取り専門店に依頼するのが一番です。
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