バイクや車の エンジンがかからない、セルは回るのになぜかからないか キャブレター車編
セルモーターを回してもエンジンがかからない スパークプラグ?
バッテリーはあるのにセルモーターをいくら回してもエンジンがかからない
という場合の点検方法を説明していきます
セルモーターは勢いよく回っているのですからこの場合バッテリーとセルモーターは大丈夫です
原因と考えられる系統は、点火系統、燃料系統、エンジン本体 となります
エンジンに必用な三要素は、強い火花、適正な混合気、強い圧縮圧力、と言われています
これらが一つでもダメな場合はエンジンがかからなかったり正常に回りません
まずは、点火系統からみていきましょうか
良い火花がでているかどうかを判断するのにまずはスパークプラグを外します
それでスパークプラグの焼け具合をみてかぶっているようでしたら、スパークプラグを清掃して火花の具合を確認します
火花の確認方法ですが、プラグコードがついている車の場合はプラグコードにスパークプラグを付けた状態でエンジンの金属部分にアースしてエンジンをクランキングしてスパークプラグから強い火花がでているかを確認します
このときに注意したいのが、プラグホールの近くで行わないことです
シリンダーの中に気化した燃料が残っている場合もあるので、エンジンをクランキングしたときにその気化した燃料が外に出てくる可能性もあります。そうなると燃料にスパークプラグの火花が引火する場合もあるので充分な注意が必要です
スパークプラグコードが付いていない車の場合(ダイレクトイグニッションと呼ばれる方式でスパークプラグの上に直接イグニッションコイルが接続されています)もやりかたは同じなのですがプラグコードが無いぶんスパークプラグを外して火花を点検するというやりかたが難しい場合もあります
その場合はイグニッションコイルをちょっとだけ浮かせて、エンジンをクランキングしてパチパチと火花がでていることを確認できればイグニッションコイルまでの電気系統は正常と判断できます
このようなやりかたの注意点として、スパークプラグには何万ボルトという電圧がかかるので非常に危険ですのでおこなうときには絶縁手袋をして体に触れないようにすることが大切です
スパークプラグの火花の強さの点検はプロのかたでしたら見てすぐわかると思いますが、火花がでているけど弱いという場合は素人のかたでは判断が難しいかもしれません。そういう場合はスパークプラグを新品に交換してみましょう
ここで判断を誤ってしまってスパークプラグは大丈夫だ、と判断してしまうと関係のないところをいつまでも点検してしまうことになってしまうのでいつまでたってもなおりません。
たぶん大丈夫だろうという判断が一番危険です
確実に100パーセント異常がないと判断できないところは疑ってかかるのが基本です
エンジンかからない 燃料はエンジンまで来ているか?
点火系統が正常だったら次にみるのは燃料系統です
スパークプラグを外してみてスパークプラグに全然ガソリンが付着しているようすがない
などという場合は燃料がシリンダーまで来ていない可能性があります
これも判断が非常に難しいところなのですが、少しばかりセルモーターを回してスパークプラグをみても燃料でべちゃべちゃになっている場合は別ですが、少ししか回さなかった場合スパークプラグを外している間にガソリンが乾いてしまいます。そうするとガソリンがきちんと出ているのかの判断が難しいです。1回みて判断ができなかった場合は自分で納得するまでやってみることも必要です
また、判断の目安としてマフラーから出た排気ガスがガソリン臭いかどうかという点検の仕方もあります(この方法も完全ではないので一応目安としてです)
燃料系統の不具合の場合はただエンジンがかからないにしてもいろいろと状況が異なります
1、まったくエンジンがかからない
2、朝寒いときにかからない
3、エンジンが暖まってからアイドリングがきかなくなってエンストしたらその後かからない
などといった症状があります
キャブレターまで燃料がきているか?
キャブレターにフロート室の点検窓がある場合はそこを見てキャブレターの中に燃料が来ているかどうかを判断できます(車の場合には点検窓がついているものもありますが、バイクの場合にはキャブレターの型が違うので付いていないものがほとんどです)
キャブレターのスロットルバルブを何回か開閉してキャグレターの加速ポンプノズルよりガソリンがきちんと吐出しているかを確認する
燃料が出ていてもエンジンがかからない場合
キャブレターのチョークバルブの作動不良
キャブレターのフロートが何らかなの原因でニードルバルブを押し上げることができずオーバーフローをおこしてしまい燃料が出すぎてスパークプラグがかぶってしまう場合
燃料が出なくてエンジンがかからない場合
そもそも燃料がキャブレターまでいっていない
この場合真っ先に考えられるのは燃料ポンプに関わる不具合です
キャブレターにつながる燃料パイプの接続を外しセルモーターを回して燃料がきちんと吐出されるかを確認します
電気式燃料ポンプの場合はまずヒューズが切れていないか確認しましょう
そして、燃料パイプの詰まりや燃料フィルターの詰まりなども点検します
ヒューズも異常なし、燃料パイプや燃料フィルターも詰まっていないとなれば燃料ポンプ本体の故障が考えられます
燃料がキャブレターまで来ていてもエンジンがかからない
燃料がキャブレターまで来ているのにスロットルを開け閉めしても燃料がでない場合はキャブレターのニードルバルブの固着や詰まりなどが考えられるのでキャブレターの分解清掃が必要になります
キャブレターからガソリンが出ていてもエンジンがかからない場合は先程言ったようにキャブレターのオーバーフローなども考えられますが、その他にもエンジンの圧縮が低い場合なども考えられます
朝寒いときにエンジンがかからない
朝の寒いとき(エンジンが冷えているとき)だけエンジンがかからない、という場合はチョークバルブの作動不良が考えられます
キャブレター車のチョークバルブはエンジンが冷えているときに一時的に吸入空気量を少なくして混合比を濃くすることで冷間時のエンジンの始動性を良くします
チョークバルブの動きは、目で見て確認できる場合もありますが確認しずらい場合はキャブレターの空気の入ってくるほうを手で少し塞いでやってセルモーターを回してやるとエンジンがかかる場合があります(手で塞ぐことによってチョークバルブの代わりをします)
また、エンジンの圧縮圧力が微妙に低い場合も考えられます
エンジンの圧縮圧力が極端に低い場合は寒いときも暖かい時もどちらもエンジンはかかりません
でも、微妙に低い場合は寒いときはかからなくても気温が上がってきたときにはかかってしまうことがありますので、故障修理としては判断が非常に難かしくなってきます
エンジンがかからない時の症状としては、キャブレターのチョークバルブの不具合のときと似ているのでそちらの系統を疑ってしまいますので気をつけたいポイントです
エンジンが暖まってからアイドリングがきかなくなってエンストしたらその後かからない
エンジンが暖まってからということですので、まずはチョークバルブがきちんと開いていることを確認します
チョークバルブはエンジンが冷えているときにエンジンをかかりやすくする為と、エンジン回転を安定させる為の機構なので、エンジンが暖まってからは必要のない機構です
チョークバルブが閉じっぱなしだとエンジンの混合気が濃すぎてエンストしたり、再始動のときにかからなくなってしまいます
その他に考えられるのはパーコレーションです
パーコレーションとは夏場の気温が暑いときにエンジンルーム内の温度が上昇して、キャブレターのフロート室内のガソリンが沸騰現象をおこします
このときに沸騰した燃料がキャブレターからエンジンの吸気系統に流れてしまうので混合気が濃くなり過ぎてエンジンがかかりにくくなってしまう現象です
主に夏場の高負荷運転(高速走行とか山道の上り坂とか)のあとにエンジンを停止したときに多いです
そのようなときにはあわてないで、アクセルを全開にしたままでセルモーターを回してやるとかかりやすいです
あわててアクセルを何回も開けたり閉じたりをすると、加速ポンプの働きで燃料が多く出てよけいにかからなくなってしまいます
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