車の走行中の異音は音の種類によっていろいろな原因が考えられます。
今回は、車から出る異音で比較的多いシャリシャリ音について元ディーラー整備士が解説します。
車の異音がブレーキを踏んだときに止まる
シャリシャリとかチャリチャリという異音が走行中に出ていて、ブレーキを踏んだ時に止まる場合には、ブレーキパッドの摩耗を真っ先に疑います。
このシャリシャリとかチャリチャリという音の特徴は、最初のうちは小さい音で、車の窓を閉めていると聞こえないほどです。
車の窓を開けて壁などがある道路を低速で走行すると、音が壁などで反響して聞こえやすくなります。
でも、走っているうちにだんだんと音が大きくなってきて壁などの反響がなくても聞こえるようになってきます。
それで、走行中はシャリシャリとかチャリチャリと音がしているのですが、ブレーキを踏むと音が止まります。
このような症状が出たらまずはブレーキパッドの摩耗を点検します。
ブレーキから出るシャリシャリ音の原因
車の走行中にはシャリシャリとかチャリチャリ異音が出ているが、ブレーキを踏むと異音は消える?
なぜ?
普通に考えればブレーキパッドが減っていればブレーキを踏んだ時に異音が出るのではないか?
と考えてしまうところですが、そこが自動車整備の難しいところです。
ブレーキパッドには減ってくるとそのことを音で知らせる金属の薄いプレート状のセンサーが付いています。
ブレーキパット残が2ミリくらいになると、この金属の薄いセンサーがディスクローターに触り、キーという音が出てドライバーにブレーキパッドが減ってきたよ、と知らせる仕組みになっています。
まあ、一般のかたはそこまでは知らないので何か変な音がするな、くらいにしか感じませんが、ようするに、変な音が出ているから早めに自動車整備工場などで点検してください、という意味でセンサーが付いています。
ブレーキパッドはブレーキを踏んでいない時にはディスクローターとの間にほんのわずか隙間があります。
隙間といってもほとんど接触しているくらいの隙間です。
ブレーキパッド残が2ミリでセンサーの突き出し量が2ミリならば、ブレーキを離している時には音は出ないはずですが、ブレーキパッドはキャリパーのピストンに押されていない時にはディスクローターに対してまっすぐに向かっていない場合もあります。
ほんの少しでもブレーキパッドが斜めになっていると、ブレーキを離している状態でもセンサーがディスクローターに軽く接触してしまうので、シャリシャリとかチャリチャリといった軽い音が出てしまいます。
ブレーキを踏むとブレーキパッドはキャリパーのピストンの力でまっすぐに押されるので、センサーよりもブレーキパットの当たり面のほうが先にディスクローターにあたるので、音は消えます。
ブレーキ踏むとゴゴゴとかギーギーと異音がする
ブレーキパッドがかなり減ってくると、今度は音の種類もシャリシャリとかチャリチャリといった軽い音ではなく、違った異音になってきます。
ブレーキパッドが減ってパッドが無くなってしまうと、裏側の鉄の部分だけが残ってしまい、鉄の部分がディスクローターを挟む形になってしまうので、鉄と鉄が擦れてブレーキを踏んだ時にかなり大きなゴゴゴとかギーギーといった音になります。
もうそうなってしまうとディスクローターにも傷がついてしまうので、ディスクローターを研磨、又は交換をしなければなりません。
このようになってしまうと、ブレーキパッドと一緒にディスクローターも交換するようになってしまうので修理費用も高くなってしまいます。
走行中にキーと甲高い異音がする場合
走行中にいきなりキーという甲高い異音がする時もあります。
この音の特徴としては、いきなり何の前ぶれもなく突然大きな音がします。
その音はキーと続いていて、ブレーキを踏んでも音の変化はありません。
車が動いている限り出続けます。
原因は、ブレーキのバックプレートとディスクローターの間に小石などが挟まったことによります。
よく、砂利道などを走行した時に起こりやすい現象です。
かなり大きなカン高い異音なので、自動車整備の経験が深い方でしたら一発で原因がわかります。
また、途中で石が落ちたりすると音が突然消えるので、自動車整備工場につくまでに治ってしまった、なんてこともよくあります。
そのような時には一応念のためにブレーキを点検するのですが、ブレーキに異常は見当たらなくて、バックプレートとディスクローターに石があたっていたような傷が発見できます。
まとめ
走行中にシャリシャリとかチャリチャリといった軽い異音がする場合は、大抵の場合はブレーキパッドが減っていることが原因であることが多いです。
そのような異音がした時には、早急に自動車整備工場などで点検してもらうことが大事です。
また、ブレーキを点検しても異常が見られなかった場合には、ハブベアリングあたりからも似たような異音がすることがあるので、そちらも点検する必要があります。
どちらにしてもこのような異音が出る時にはなるべく早めに自動車整備工場などで点検してもらうことをおすすめします。
車検が近かったら異音の修理費用と一緒に車検の見積もりもしたほうが良い
車検が間近に迫っていて、このような異音がしていたら、異音の修理費用の見積もりと一緒に車検の見積もりも一緒にしてもらったほうがいいでしょう。
車検はディーラーに出すと高いし、どこか安くやってくれるところはないかな~。
などと迷っている方には、以下のサイトがおすすめです。
見積もり金額が高額の場合は
ブレーキの異音はブレーキの引きずりが原因の場合もあります。
ブレーキの引きずりとは、ブレーキペダルを踏んでいないのにもかかわらずに、ブレーキが効いている状態を言います。
主な原因はブレーキキャリパーのピストンの錆によるところが大きいですが、修理するとなると最低でもブレーキキャリパーのオーバーホールが必要になり、錆がひどくて腐食などしているとブレーキキャリパーをそっくり交換しなければなりせん。
そこまでいってしまうと、修理代も高額な金額になってしまいます。
ただ、内部の腐食具合などはいったん分解して見てみないとわからないので、見積もりの段階でオーバーホールで出していたところ、後からそっくり交換しなければならないというふうになり、追加で金額が発生してしまうこともあります。
ですから見積もりをしてもらう時にはそのようなことも考慮して見積もり金額を算出してもらいましょう。
それで、あまりにも見積もり金額が高くなってしまう場合には、車の買い換えも検討したほうがいいでしょう。
ブレーキの引きずりなどはそうとうな年数がたたないと発生しません。
そこまで年数が経過した車の場合には、ブレーキだけでなくその他の箇所にも不具合が発生する可能性が高いです。
それらのことを考えると、車を買い換えたほうがいいかも知れません。
車を買い換えるとなると、年数が経過した車やトラブルを抱えた車は下取りに出しても0円の場合が多く、場合によっては車の処分料を請求される場合もあります。
それだったら車を下取りに出さないで故障した車も高額で買い取ってくれるカーネクストに依頼したほうがお得です。
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