ブレーキを踏んだ時にカコンとかコツンと1回だけなるカッチン音。
車を運転していてこのような異音が出ると気になりますよね。
この記事では、このようなカッチン音がなぜでるのかということとその対処方法を、元ディーラー整備士が解説していきます。
カッチン音が出る原因は、ブレーキパッドが回転方向に動くことでキャリパーサポートにあたる為です。
この音の特徴としては、ブレーキの踏み始めに最初の1回だけ出ることです。
走行中にブレーキを踏むとブレーキパットがキャリパーのピストンに押されてディスクローターを抑えつけます。
その時にブレーキパットはローターの回転方向と同じ方向に動きます。
そして、ブレーキパットはブレーキキャリパーサポートにあたって動きが止まります。
その時に出る音がカコンとかコツンというカッチン音です。
実際には、ブレーキパットとキャリパーサポートの隙間はほとんど無いのですが、ほんのわずかガタがあるとそのような音がしてしまいます。
つまり、車が前進してブレーキを踏むとタイヤの回転方向にブレーキパットが動き、パットがキャリパーサポートにあたった時にカコン、とかコツンといったカッチン音がしますが、その時点ではブレーキパットはキャリパーサポートに強く押されているので、キャリパーサポートとブレーキパットのガタは回転方向にはありません。
だから、続けて何回ブレーキを踏んでも音が出るのは最初の1回だけです。
少し走ると、ブレーキパッドとキャリパーサポートの間にまた少しの隙間ができるので、ブレーキを踏んだ時に同じように音がします。
反対にバックした場合にはローターが逆回転になるので、今度はバックして1回目のブレーキを踏んだ時にカタンとかコツンといったカッチン音がでます。
この音がする原因としては、ブレーキパッドのキャリパーサポートにあたる面が摩耗していることが原因です。
下の画像の黄色の矢印の部分です。
ブレーキを踏むたびにブレーキパッドは動くので、長い間使っていると少なからず摩耗はしてしまいます。
すると、ブラケットとブレーキパッドの間に隙間ができてしまうので、ブレーキパッドがキャリパーサポートにあたるたびに音がでてしまいます。
その他の原因としては、ブレーキパットの寸法の精度不足が考えられます。
まれにではありますが、社外品のブレーキパッドだと加工精度が悪く新品のうちからガタが出てしまうものもあります。
純正部品ではまずそのようなことは無いのですが、社外品の部品ではそういう物もあるので、安いからといって安易に購入してしまうとこのような音がでてしまう場合もあります。
また、私の過去の経験で、社外品のブレーキパッドで寸法が純正部品よりもほんの少し大きくて、ブレーキパッドがキャリパーサポートに収まらないものもありました。
その時は、別の社外品の物に交換してもらったら問題なく付きました。
見た目ではまったく変わらないのですが、ブレーキパッドとキャリパーサポートの隙間はほとんど無いように作られているので、ほんのコンマ何ミリでも精度が悪いとガタが出てしまったり、付けることができなくなってしまうことがあります。
この音の修理方法としては、ブレーキパットとキャリパーサポートの当たり面にパットグリスを塗ってやれば大抵の場合なおります。
しかし、それでもなおらない時にはブレーキパットを交換するしかありません。
この音に関してはブレーキの効きには影響はないですが、気になるようでしたら一度自動車整備工場などでみてもらったらいいでしょう。
なお、自分でグリスを塗るのでしたら、このようなグリスがおすすめです。
車検の時には、ブレーキパッドを外してきれいに清掃した後に、ブレーキパットにきちんとグリスを塗ってから組み付けるので、車検をした後はこのようなカッチン音は普通しないはずなのですが、車検業者によってはこのような作業をしないで、ただブレーキパッドの減り具合だけを見てお終いにしてしまう業者もあります。
法規上の車検整備としてはそれでも問題はないのですが、どうせならきちんときれいにしてくれる車検業者に頼みたいですよね。
でも、車検業者なんて実際に出してみないとどこがいいかなんてわからないですよね。
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