車検後に車が故障した場合はお店の責任?クレームかどうかの判断は

車検整備

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車検後に車が故障することも少なくはありません。

ユーザーとしてみれば、車検をしたばっかりなのに車が故障したのはお店の責任ではないか、と思うのも無理はありません。

そこで、車検後に車が故障した場合において、クレームが効くか効かないかをどのように判断したらよいかを詳しく解説していきます。

 

車検整備

 

私はディーラーで19年、ディーラーを辞めてからも他の自動車整備工場で何年も車検整備をしてきました。

自動車検査員もしていたので、車検後に車が故障した事例をいくつも知っています。

なぜ車検後に車が故障してもクレームが効かないのかを詳しく解説していきます。

 

車検は保安基準に適合しているかどうかの点検作業

 

車検は車が保安基準を満たしているかどうかの点検作業です。

ですから、ブレーキパッドが摩耗していたり、エアクリーナーが汚れていたりしても保安基準を満たしていれば車検は通ります。

ブレーキパッドが摩耗していても残が何ミリ以下はダメ、という決まりは無いし、エアクリーナーはいくら汚れていても汚れの判断基準が無いので車検は通ります。

しかし、ブレーキパッドが摩耗していれば、いずれはブレーキのトラブルが起きますし、エアクリーナーが汚れていれば、燃費の悪化やエンジン不調の原因となってしまいます。

つまり、車検に合格したからといってその後の車のトラブルを全て防げるわけではないのです。

 

車検後の車の故障を防ぐにはお店選びも大事

 

車検をした後に車が故障してしまう、というトラブルを防ぐ為にはきちんと点検整備をしたほうが良いです。

その意味でも格安車検などの通すだけの車検は避けたほうがいいでしょう。

また、点検整備をしてもただ点検をしただけでは意味がありません。

摩耗している部品や傷んでいる部品は、例えその時点で車検が通る状態だとしても、早めに交換しておくことが必要です。

そういった意味では、車検時に隅々まで丁寧に点検してくれるお店選びが大切です。

 

車検整備では判断できない箇所はクレーム対象外

 

車検の時に行う24ヶ月点検でも良否を判断できない箇所もあります。

具体的には

・トランスミッションやデフの内部

・エンジン内部

・ラジエターの内部

などがあります。

これらの箇所は外部から判断できないので、点検内容もオイルや冷却水が規定量入っているか、汚れていないか、といったことしかわからないです。

ですから、車検後にこれらの箇所が故障することもあり得るわけです。

もちろん、これらの箇所にオイル漏れや水漏れなどがあれば、当然修理しないと車検は通りません。

また、電気関係の部品(コンピューターやオルタネーター、セルモーター等)も外観からは判別できない部品です。

ですから、車検をした後にこれらの箇所がすぐ故障したとしてもお店に責任はありません。

 

車検時には点検しない箇所もある

 

車検は車を安全に走らせることができるかどうかを判断する目的なので、基本的には保安基準に関係がある箇所しか点検しません。

走る、曲がる、止まる、と言った基本的な箇所が点検項目の対象になります。

それらに関係の無い箇所、例えばエアコンなどは点検項目には該当しません。

エアコンが効かなくても、車の走る、曲がる、止まる、といったことには関係が無いからです。

そうは言っても夏場の暑さはエアコンが効かないと、とても耐えられないものです。

暑さで運転に支障が出てもいけないので、いくら車検に関係無いといっても早めに修理しておくことは必要でしょう。

 

エンジンの音が大きくなったとかの場合はクレームは難しい

 

エンジンからの音が大きくなったとかいう場合には、保証で修理してもらうというのは難しいです。

なぜなら、音の大きさというのは聞く人によって感じかたがさまざまだからです。

もちろん、車検整備の時にミスがあって音が大きくなったとかの場合にはクレームの対象としてくれるでしょうが、そうでない場合には証明することができません。

例えば、車検の時にエンジンから少し異音がしていたとします。

でも、自動車検査員が特段それを異音として感じなければ車検をそのまま通します。

ユーザーは車検前には少し異音がしていてもそれほど感じなくても、車検後には今まで気にしていなかった音も気になるということはよくあることです。

音に関してはあいまいな部分が多く、はっきりと証明することが困難なので保証修理というのは難しくなります。

但し、異音がはっきりと音が大きいと感じた場合には、どこか故障している箇所があるかも知れないので、クレームが効くか効かないかは別にして、早急に点検してもらう必要があります。

 

車検後の故障でクレームが効く場合とは

 

車検した後の車の故障では、車検整備を行ったお店側に責任がある場合もあります。

具体的に言いますと、車検整備の時に部品交換や修理をした時に何らかのミスがあった場合です。

例えば、スパークプラグの交換時にきちんと締め付けられていなくて後々緩んできて、エンジン不調になってしまったとか、ファンベルトを交換した時に、調整不良で走行しているうちにだんだん緩んできてしまったとかいうふうに、作業のミスによる不具合があった場合です。

締め付け不良や調整不良などは、完成検査時にはわからないこともあるので、後から症状が出て発見されることもあります。

このように、車検の時に行った作業のミスにより故障が起きてしまった場合には、クレームの対象となります。

 

車検後の故障がクレームが効くか効かないかの判断は

 

車検後の故障が起きた時に、その原因がお店にあるのかどうかの判断は、整備記録簿や請求書を見ればわかります。

整備記録簿は常時車に携帯していなければならないものですが、中にはいらないものと思って捨ててしまう人もいます。

整備記録簿は点検整備の重要な証拠となるので、必ず車に備え付けておきましょう。

それで、整備記録簿にはたくさんの点検項目がありますがチェック蘭にxと記されていれば交換、△と記されていれば修理、ということなので、整備工場のほうで何かしらの事をしたと判断できます。

ですから、その部分が原因で車の故障が起きた時には、お店側の責任を問えると言えるのでクレームの対象となるでしょう。

また、請求書も重要な証拠となるので絶対に捨てないでおきましょう。

ただし、例え整備記録簿や請求書をユーザーが無くしてしまったとしても整備内容を知る方法はあります。

24ヶ月点検などの記録簿は、車検を行った事業所でも自家用乗用車の場合は2年間は記録簿を保管していなければならない、と法律で定められています。

ですから、ユーザーが記録簿や請求書を無くしてしまったとしても、お店でそれを確認することはできます。

 

ユーザー車検代行ではクレームは効かない

 

ユーザー車検代行とは、文字通りユーザーの代わりにユーザー車検を行う業者です。

ユーザー車検代行は、車検を通すだけというのが大半で基本的に24ヶ月点検はしない場合が多いです。

つまり、車検の時には点検整備をしないので、車検後にどこかが故障しても業者に責任を追及することはできず、クレームは効かないということです。

ユーザー車検代行は、格安で車検を受けることができますが、そのぶん車検後に何かトラブルがあっても責任は問えないので、リスクがあるということを理解しておきましょう。

 

車検後の保証期間も重要な確認項目

 

車検後の故障の責任がお店側にあったとしても、なんでもかんでもクレームが効くわけではありません。

車検と一緒に点検整備もしたのなら、保証期間というものがあります。

その保証期間というものは、車検の時に整備した箇所に不具合が後で出た時はお店で保証するというものですが、その保証期間というものはお店によってさまざまです。

保証期間が一年あるお店もあれば、半年や3ヶ月ほどしか無いお店もあります。

また、距離数においても6ヶ月または10,000kmとか、3ヶ月又は5,000kmとかどちらにしても短いほうが優先されます。

6ヶ月または10,000kmの場合には、例え6ヶ月以内でも10,000kmを超えてしまっていると保証が効かないので注意が必要です。

また、当然ながら整備していない箇所については保証の対象とはなりません。

保証期間がどれくらいあるのかはお店によって違うので、入庫前に確認しておくべきでしょう。

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